初めの一歩

本当に別れてしまうのだろうか
 最初に申し上げますと、この作品は継続中のストーリーです。77pまでの読後感を一人の読者として素直な気持を添えさせていただきます。  初めの一歩は続きがどちらの方向に展開してゆくのか非常に気になってしまう。まずは、とても素敵なタイトルと表紙デザインに魅了されこの作品にたどり着きました。こんなことは初めての経験です。  冒頭から肉体的、そして、精神的にも、うちひしがれた主人公の苦渋に満ちた気持ちが押さえたトーンで描かれてゆく。暗闇の中船上の人となり、小説の舞台、都会からかけ離れた離島に向かっているのだ。暫く傷ついた心理描写が短い文章で紡ぐように描かれています。まるで映画のワンシーンを観ているかの如く、ひとりの女性の複雑な境地に唖然とする。  ページをめくると、幼なじみの恋人との別離のシーンが振り返りの形で丁寧に語られている。付き合って十年、別れの原因は彼氏のたった一回の浮気。突然、悩む主人公に小笠原に住む先輩から一通の連絡が入り、話は急展開。この後、これまで当たり前に続いてきた日常を全て捨て去り、心を癒す為に海を渡っていくことに胸落ちする。  28歳の女性、別れという試練と心残りの未練が小笠原への真っ暗な海に交錯した光の如く届いてくる。 本当に別れてしまうのだろうか 全てが作者らしい繊細な描写により 胸を痛め、涙さえ感じてしまう 勤め先の人々、友人、先輩たち 優しく包み込むような語り合い 十年間の喪失だったと言われても 僕には悲し過ぎる 「私たち、今日で終わりにしよう」 信頼できないのに付き合い続けることは きっとこの先余計に傷つけてしまうから 感情を抑えた穏やかな時間で過ぎてゆく 別れを言い渡されているのに こんな優しい男がいるだろうか 舟が竹芝桟橋を離れてゆくシーンになると もう、涙が止まらなくなる 小笠原の人々のフレンドリー 言葉のひとつひとつ ずっと見惚れたくなる美しい島の描写 『凪の音』が届くおしゃれなゲストハウス 真っ赤に燃える太陽、何処までも澄んだコバルトブルーの海……… 読んでいる本人がそこに佇んでいるような 錯覚さえ覚えてしまう 全ての描写に温かみがある のんびりとする時の流れまで感じられてきます この後、どうなってゆくのでしょうか 『朝凪のボニンブルー』とは?
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初めの一歩さま まだまだ序章にもかかわらず、こんな素敵なレビューを書いて下さり、本当にありがとうございます!! 船上や離島でのシーンは実体験をもとに描写している部分もあるので、よりリアルな雰囲気が伝わっていれば、とても嬉しく思います! 忙しくて思うように更新が進まないのですが、少しずつストーリーを展開していけたら良いなと思っておりますので、またお時間ございますときに、ちらっと覗いて頂ければ幸いです(^ ^)
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本当に小笠原の夏の風が届くような小説ですね。この後が楽しみ!夏のエッセイが公開されたら是非とも読みに伺います。なお、エッセイのページでは動画も添えさせていただきましたのでよろしかったら覗いてみてください。
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