昭島瑛子

札幌と家族と恋愛と
思春期や青春期の少女が主人公の小説というと恋愛や友情がメインになりますが、家族との関係も切っても切り離せないものです。 本作は「密かに見つめていた推し=朔くんにいきなり告白してしまい気まずくなる」「朔くんから急に『ニセカノ』になってほしいと頼まれる」という続きが気になる出来事から始まります。 最初はそっけないと思っていた朔くんは実は優しい人で、複雑な家庭の事情を抱える心陽の気持ちを受け止め、包み込んでくれます。 北海道の観光地とグルメ、さまざまな思いが交差してすれ違う家族関係、主人公を理解し、包み込んでくれる恋人。 これらの要素を織り込んで物語に仕立て上げる作家で、東里胡さんの右に出る者はいないのではないかと思っています。 『キミと始まりの日』を読んで『感情ミュート』を未読の方は是非お読みください!
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