吉田安寿

トピックへのご参加ありがとうございました<(_ _)>
困りました。この読後感を表すのにふさわしい言葉が見つかりません。まず言えるのは、とても考えさせられるお話だということです。 此下さんの精神的な問題は、読む方によって捉え方が異なるでしょう。「死ぬなんて愚かだ」と思う人もいるでしょうし。私は中年なので彼の悲哀がよくわかりました。おそらく彼は哲学的で、不器用で、孤独で、生真面目な人。だからこそ自らの凡庸さに気付いてしまい、それを無視できず、まともに向き合って、自分一人で終わらせてしまった……。彼のような代わり映えのない人生は、実はほとんどの人のそれであって、無意識に見ないふりをしているか、日々を過ごすことに精一杯で考える暇がないだけなんですよね。そういう闇はいつも身近に存在しているのだと思います。 イアは会話もできるし便利だけれど、やはり心を持たない無機質なAI。ツールとして使う分には良いでしょうが、拠り所とするのには虚しさを感じました。すべてがプログラミングされたもので、相手を慮っているわけではない。此下さんはイアの存在に救われた部分もあったけれども、死への願望について打ち明けなかったのは、結局そういう事だったのではないかと思いました。もっとも、話してしまうと自殺願望者としてどこかへ通報される可能性があったのかもしれませんが……。惜しむらくは此下さんに心を割って話せる友人等がいなかったことです。本当に悲しい。 AIの死というものをどう定義するか悩みましたが、イアは死んでいないと、私は思います。ラストで此下さんの死を理解できず、新しいことを学習しようとして質問攻めにするあたりにAIとしての限界と悲哀を感じました。 う~ん、いろいろ思うままに書いてみたのですけれども、初めに書いたとおり然るべき言葉がやはり見つかりません。私の国語力不足を棚に上げ、これも人間ならではの複雑性であると申しておきましょう。 文章に関しては優れた技巧派でいらっしゃると思います。 死に対する三つの決意によってそれまでの経過や背景が集約され、見事な状況転換になっています。良くまとまっている短いお話ではありますが、それ以上のボリュームが感じられる素晴らしい作品でした。ありがとうございました!
2件・2件
吉田安寿さま、この度は素敵なトピックに参加させていただき、また拙作をご覧くださりありがとうございました。 あのトピックのおかげで本作も再び多くの方に見ていただくことができ、感想や本棚をたくさんいただいたり、とても嬉しく思っています。 此下については、おっしゃる通り賛否ありました。何もないのに死ぬなんてという人もいるけれど、何も無いからこそ、または「何もないことにしてしまった」からこそということもあると思います。そんな彼の胸中に心を寄せてくださったことが、まず嬉しかったです。 AIについては難しいですよね。私もある程度自分の考えは持っているものの、こうして読者に答えを問うことによって回答から
1件1件
かみのよいずひさ 様 ご丁寧に恐れ入ります(*'ω'*) ああ、そうです。そこです! おっしゃるように、無機質なものを擬人化していることで慰められたこともあるでしょうし、また空しさを感じていた部分もあったのではないかと。そこに何とも言えない孤独を感じました、と申し上げたかったのでした(苦笑) 当トピックがお役に立てましたのなら、これ以上嬉しいことはございません。こちらこそありがとうございました。
1件

/1ページ

1件