主人公の"魂喩"
やばいですね。これがっつり刺さってしまいました。めっちゃ良き。角度をつけた青春短編。 主人公、"七子"は16歳。ある家庭の事情から、東京から沖縄へ移ることになりました。東京で過ごす環境には母親との深い粘縁があり、七子は処世術としての生き方に辿る毎日。この物語は、沖縄に移ってからの数場面にクライマックスが訪れます。 ここで描かれた言葉の数々が、ものすごく響きました。抑制からの脱却。未熟からの迸り。感情的な文章は多彩に比喩を用いていて、力があって鮮やかなエネルギーを感じる文体でした。 隠喩とも暗喩ともとれる表現が、全て主人公からの魂の叫びを表しているようで、読者の心に響きます。"魂喩"というものがあるなら、まさにこれ。 ヤンキー漫画もヤクザ映画もある日本のエンタメ。こういうナナメな青春小説はあって絶対にいい筈。だって、面白いんだもんw 素敵な青春をありがとうございましたっ!
1件

この投稿に対するコメントはありません