大藤あいみ

なーんにも起こらない話を書こうか、セミの話を書こうか、悩みながら過ごす日々。 みなさん、如何お過ごしでしょうか。 好きな作家がたくさんいます。 その中でも特に好きな方が一人。 その方は、もう10年以上新作を出していません。 短い文章を畳み掛けるように書く方で、現実と空想の狭間を描いていく物語が凄く好きです。 直接その方に、自分の気持ちを伝えたことはありません。だから彼は、こんなにも彼の文章に恋焦がれている人間がいることを知らない。 既刊を全部揃えてしまうほど好きなのに、ペンを持って便箋に自分の気持ちを書いて、切手を貼ってポストに投函する……という作業までに至らない。その一通の手紙が、何か物事を動かすきっかけになるかもしれないし、折れそうな心を支えることになるかもしれないとわかっているのにやらない。自分が文章を書いて、たくさんの人に色々な言葉をかけてもらって支えにしているくせにやらない。全ては、私が怠惰なせい。 それでも、未だに新作が出るのを待っているのです。 それを考えると、このサイトの気軽さは凄くいいな、と思いました。スタンプやコメントのひとつひとつに小躍りするほど喜んで、レビューなんてついた日には向こう一週間は上機嫌です。 ここに公開してある作品のほとんどにレビューがついている私は恵まれているし、幸せ者です。 人それぞれ好みってあると思うから、嫌いや苦手が出てくるのももちろんいいんだけど、誰かの「これ好き」って気持ちに触れられたことがわかるのは本当に良いですね。 うーん。何書こう。何書こう。 そう思いながら、今日も誰かの作品を読みふけっています。
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