平易な文章で、必要な情報(=読者が読みたいもの)と展開がコンパクトにまとめられている。 ルビこそ振ってありませんが、逆に言えばルビが必要な文章なんて書いた時点で読者離れの要因、というワケです。 原因は私が、「自分の頭の中の映像を描写する」タイプの小説書きだったこと。 ただでさえ稚拙な(自分ではそう思えない部分もありますが、まず間違いなく稚拙でしょうね、残念ながら。アニメや漫画の構図を練ったことがあるワケでなし、そもそも自分で「こんなにも」とか読み返しててもひっかかることがあるので)私の脳内映像を文章で細かく出力しても、同じ映像を読者が思い浮かべてくれるとは限らない。 読者の想像の余地を奪い、更に1から100まで私の脳内映像を読者の脳内に描くことを強要する。 つまりは「描写がわかりにくかった」ってことですね。私の文章は。 で、もうひとつ驚きだったのが「感情」より「テンポ」だということ。 私は力の限り叫び散らすような、ドラマティックに感情を煽る物語が大好きです。 ですが「毒無効」では、主人公の心情がドラマティックに激しく描写されるシーンなど、ほとんどありませんでした。 主人公を追放する側が、最初らへんに叫んだくらい。 でも読まれ、書籍化され、評価されている。 ということは、私にとっての面白い物語とは「不要」ではないにせよ「余計」だということでしょうね。悔しいことに。

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