「毒無効」と同じく、10万字付近まで読んでも特に激しく感情を揺さぶられる描写はありません。 耳を斬られ目を潰され父を殺され、母と共に売り飛ばされたエルフの王女なんてのも買った奴隷の中に存在するのですが、そこも特に深堀りされず。 ポーション飲んで耳も目も復活、主人公に可愛がられながら、特に見せ場もないまま国は主人公ひとりの働きによって救われる。 そして主人公たちの容姿もほとんど情報がありません。 種族的な特徴だけ。 あとはセリフが特徴的なくらい。 それでも「可愛すぎるヒロイン達(大意)」という感想がついている。 「面白い」ってなんだろう、と考えてしまいました。 しかし、同時に脱帽・尊敬しました。 「毒無効」と同じく、約10万字を2時間くらいで呼んでしまえる。 その間、読みにくさやひっかかりを感じたことは一切なく、セリフも、いま誰がしゃべってるのかすぐわかる。 そして作者、茨木野先生は他にも複数の「なろう系」を書き、書籍化・コミカライズ作品も多数。 しかも更新日を見ると、本日だけでも2,3作品、ここ数日では4,5作品を同時並行で2000~3000字を更新されていました。 「徹底」とはこういうことを言うんだ、と思います。 わかりやすさとよみやすさに徹底的に取り組みつつ、読者が読みたいものもしっかり提供できている。 これをプロと言わずなんと言いましょうか。 そして「ランキングを昇る」ことを目標にするならば……私もそれを目指さないといけない。 ネット小説サイトでランキング争いをする小説・その小説家は、新人賞に応募する小説・その小説家とは作り方・考え方が全く違うんじゃないか……と認識するに至りました。 どちらもできていない私は、「どっちか」を選択した方がいい……んでしょうか。もしかして。

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