如月 康志

かけがえのないもの
支えたかけがえのないもの 人の命は、いつか尽きるものです。 それは私たちがこの世に生を受けたその瞬間から運命付けられた、抗えないものです。 それは神様が決めた事で、それ自体に意味がある。 そう思って割りきろうと考えても、どうにも納得できないことがとてもとてもたくさんあります。 頭ではわかっているつもりでも、いざ目の前にすると、誰しもが迷い戸惑い、悲しみに暮れます。 当たり前ですが、命にはひとつとして同じものはありません。 運命には抗えない。 でも、どの命もかけがえのない大切なものです。代替出来るものなどありえない、とても尊いものなのです。 見守るなかで、運命を呪うことも、藁をもすがる気持ちでおられたこともあったと思います。 時に、行き場のない気持ちを抱えて誰かに八つ当たりしたり、どうしようもない悲しみに襲われて泣くこともあると思います。 そして、あの時こうしていれば……と言う痛みを感じるほどの後悔に襲われる事もあります。 それはとてもとても辛いことです。 ですが、何よりも大切な人間性がそこにあると思います。 人はそれを優しさと言い、愛と言うのだと思います。 痛みに耐えて辛い思いをしているのを見ているのも辛いことです。 どうにか楽になってほしい。 運命があるなら、これが全部嘘だったと言う運命であってほしいとも願います。 ですが、運命は時間と言うものを伴って容赦なく辛い現実を突きつけます。 私自身、人の命を看取らせていただいたことがありますが、当たり前ですがひとつとして同じものはありません。それに私がその場に立ち会ったのは、多くの場合が医療従事者としてです。 正直なところ、何度経験しても慣れるものではありません。 それは、大切なご家族でしたら、なおさらの事と思います。 拝読させていただいて、ご家族さまのお気持ちが痛いほど伝わってきました。 いつでも空から見守ってくださっているおかあさまのためにも、どうか笑ってお過ごしくださいと願うばかりです。 本当に偉いですよ。 その愛を全身に受けて、おかあさまは旅立たれたのだと思います。 お話しを拝読させていただいて、本当にありがとうございました。 悲しみの分、どうかたくさんの幸せが訪れますように。
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連載中からたくさんの励ましのメッセージなど、本当にありがとうございました。 医療に従事されている如月さんからのコメント、ああ、お医者様や看護師さんたちはそんなふうに思ってくださっていたのかな?とか思えてとても参考になりました。 母はもうこの世にはいませんが、それでも彼女が精一杯生きて、最後まで明るく病魔と闘った様子をいつかちゃんと残したい。 そう思っていたので今回このエッセイでそれが実現できてひとつ自分の中に課していた責務が果たせたような気がしました。 こんな散文のような作品に最後まで寄り添って頂いて本当にありがとうございました。
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とても愛にあふれたお話しでした。 書いておられる間、胸をえぐられるように辛い気持ちになられたこともあったのではないかと、勝手ながら心配しておりました。 おかあさまにとって、誰よりも大切な娘さんと共に歩んでおられた道ですね。 お二人の祈りと勇気に、とてもとても暖かいものを感じて拝読させていただきました。 本当にありがとうございました。
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