大学の駅伝部の強化費は、強豪校ともなると年間1億円程度だそうです。にもかかわらず、箱根駅伝に出場すればその広告効果は5~60億円相当にも上ると言います。各大学が駅伝部に力を注ぐのはそのためです。当たればデカい、それが大学駅伝なのです。 最近は強豪校に加え、新興の大学もかなりお金を掛けるようになりました。シード権争い、予選会は年々ヒートアップしていっています。お金を掛ければ勝てる……という時代は、とうに過ぎ去ったのかもしれません。 しかし、誰か一人が圧倒的な走りをすれば、大学の名前を強烈に売り込むことが出来ます。今回の箱根駅伝1区・区間3番目相当の好走を見せた育英大学・新田颯選手がそれを証明しました。 集団についていくか、独走するか。新田選手は後者を選択。1キロ過ぎから、関東学生連合の歴史に残る大逃げが始まります。 一時は2位集団を400mも引き離す逃げっぷり。最終2キロで惜しくも呑み込まれましたが……意外なランナーの登場は大いに世間を盛り上げました。 これにより、育英大学の名前はヤフー、Twitter両方のトレンドに乗りました。「どこにあるんだ……?」って、みんな思ったんでしょうね。大学側からしたら、願ってもない恩恵です。 ちなみに育英大学は、2018年開校の新しい学校。群馬県前橋市内にキャンパスを構えています。同じ学校法人が前橋育英高校を運営しております。そちらはサッカー、野球などですでに全国区ですよね。 少子化の進む近年、大学は『倒産』というリスクをリアルに感じながらの運営が続いています。中小規模の大学ならまだ話は分かるかもしれませんが、15年ほど前には駒澤大学も経営危機に陥っています。青山学院にいたっては相模原キャンパスを縮小、都心回帰の真っ最中です。有名大学であっても、実はギリギリの運営が続いているのです。 いかにして大学を維持し、学生の学ぶ場、職員の働く場を維持するか。 懸命に教育の現場に携わる人間にとっては、今回の新田選手の好走は希望の星だったことでしょう。『育英大学の名前を売りたい』とレース後に語った新田選手。彼のように学校のため、未来の後輩のために頑張る人材へ、何より手厚い支援を。それが大学の存続、そして未来の箱根路へ続いているのは間違いありません。
11件・2件
神奈川大学も横浜に移りましたね。やはり学生を集めるには良い場所でないと来ません。新田選手の頑張り、良かったですよね!箱根駅伝大好きですからぶっちぎって観せて大学は知れ渡りました。やはりスポーツは魅力がありますよね。勉強よりもスポーツの方が学校を有名にできるでしょう!
1件1件
スポーツでの活躍は、学校名を売るにはもってこいの機会ですね! 一方で、たとえ有名になったとしても入学後の体制が不十分では学生は集まりません。ありがちなんですが、明らかに体育会系の学生へサポートが偏重して、一般学生を蔑ろにすることがあります。これでは本末転倒です。 話題を集めて、学生が興味を持ってくれてからが本番です。育英大学もこれからが大変と思います。
1件

/1ページ

1件