菊池川詠人

敢えてケチをつけます
いかにもアズマさんらしい、情緒豊かな掌編ですね。 ただ、アドバイスが欲しいという事は、欠点があったら言って欲しいという意図でしょうから、敢えて2点ケチをつけさせていただきます。 まず会社の先輩から交際相手を紹介してやろうか?と言われる場面は現在のサラリーマン社会では不自然です。主人公は20代なので、今現在の話だとすると、同じ会社の同僚の女性を上司や先輩がくっつけようとしたりはあまりしません。プライバシーなどの問題に異常なまでに敏感ですから、今の企業社会は。紹介しようとするのは、親とか親戚とかにする方が無難ですね。 彼女が極めて古典に詳しいのがこの話の一番面白いところなのですが、だったら何故そんな若い魅力的な女性に彼氏がいないのか?が引っかかります。 頭が良すぎる故に並みの男たちでは付き合いきれなかった女性、その教養を理解できたのが唯一主人公だった。そんな描写があるとグンと説得力が増し、話にもより深みが出たと思います。 とは言え、文章表現は巧みななかなかの内容でした。これからも頑張って新作を書いてください。楽しみにしてます。
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感想ありがとうございます。 女性の紹介の件は、そうかもしれません。無難に親族からの紹介というふうにすれば良かったですね。 葵に彼氏がいない件は、物語に関わる部分なので言いにくいところもありますが、少しだけ語っておきます。 葵は恋人に振られて、出会い系サイトに顔を出します。そして、水原と出会い、一年もの間、体だけの関係を続けます。その一年の間、葵には彼氏はいなさそうです。しかし、わざとらしくお見合いのことを水原に言ったり、その時に鮑の片思いの話をしたり、別れ際の改札で真剣な視線を向けたり、そこに彼女の「想い」が隠されているのではないでしょうか。そう考えると、葵には彼氏がいなかった、のではな
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