鷹槻れん

複雑に絡まる人間模様
しお鮭むすびさんは本当に描写が丁寧で読んでいて情景が浮かんでくるような言葉を紡ぐクリエイター様です。 本作も優子ちゃんを取り巻く世界観とか凄く分かりやすくて気が付いたら物語の中にどっぷり引き込まれていました。(私、基本物語を読んでも文字は文字として認識するタイプなんですが、ごくまれに情景が浮かぶ作品がありましてしお鮭むすびさんの作品はこのごく稀な方に入ることが多いんです) 秀人さんが初めて出ていらしたとき、不遜な態度から絶対これ、優子ちゃんのこと、襲っちゃうよね!?と期待したのを懐かしく思い出しつつ(笑)。 でもあの時そうならなかったのが、ずっと読み進めていくと納得出来て読めば読むほど私は秀人さんの虜になりました。 いや、もう本当、不器用で素直じゃない彼が大好きだ!って思いました。 優子ちゃんも最初は〝妻にならなければならない〟みたいな良い子ちゃん思想な義務感で彼のそばにいたはずなのに…ラストが近付くにつれてそうじゃないって思わせてもらえたのも嬉しかったです! 秀人さん、素敵だしそりゃそうならないわけがないと勝手に思いながら読んだのは内緒です(笑)。 そして! 本作で忘れてはいけないもう一人のキャラが徳増さんだと思います。 優子ちゃんのそばにずっといた彼が、まさかまさかあんなことやこんなことをするなんて!と終盤の辺りは本当ドキドキの連続でした。 良くも悪くもこの物語は徳増さんなしにはこんなドラマチックにはならなかったと確信しています。 含みを持たせたラストも最高でした! 読者一人一人が勝手にこの後どうなるのか想像できる余地を与えてもらえる終わり方、すごくいい!って思いました。 恐らく読んだ人ごとにこの後の展開が違うんだろうなって思うと、こういう物語の畳み方も素敵だなと(クリエの端くれとして)とても勉強になりました! お洒落な会話運びもこの作品の醍醐味だと思います。 とにかく見どころ満載ですので、是非読んでみてください♥ (私のつたない語彙力では伝えきれなかった沢山の魅力、読んだら分かるはずです! というか読まないなんてもったいない!)
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