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想い合う熱量でも越えられない壁を、SF解釈で超えていく
中世風異世界に歴女(若葉)が転生するので、よっし無双だ! と読み初めに思うのですが、なんと敵もチートですごくフェア。 p11で、どうにも中世レベルとは思えない存在が敵として出てくるあたりから、これは普通の異世界じゃないな、と感じられてきて、そこから転がるようにSFめいてくる一連の流れに、気持ちよく騙された感があって興奮します。 このお話の白眉は、心理描写にあると思う。冒頭、若葉が歴史学を挫折(?)する時の心情の生々しさで、まず引き込まれる。歴史じゃなくても、自分の頭が力及ばず挫折感を味わったことがある人は、すごく彼女に共感できると思う。この挫折によるコンプレックスが彼女の行動に通底してて、血が通ってる感じがして、とても好きでした。 話が進んでからは、もうあれですよ、各カップルたちの想い合いが熱いんですよ! そしてアリーシャと若葉が体を共有してるから、ことはさらに複雑で熱いんですよ!  どのカップルにも高い障壁があって、特にエックハルトと若葉には、この頭のいい二人をもってしても、その生涯ではどうしても越えられない壁があって、それをSFでハピエンに持って行ってくれるところに、脳汁があふれ出ます! 私SFの難しいところ、正直よくわからないんで、こんなことしか言えないけど、歴女SF最高じゃんか、って思いました。
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最高な感想、ありがとうございます!! この作品は、 「日々の生活を頑張っていて、でも上手く行かないことも多くて、自分の人生でいまひとつ輝けないと感じることもあって、でも諦めたくもない、雑学オタクな真面目な女性」 を想定する読者と考えて書き始めた話です。 乗り越えられない挫折を、逆に人生を動かす想いの原動力にしていくような部分をフルに受け取って頂いて嬉しいです! SFや歴史ネタについては、「〜〜という前提知識がないと理解できない話」にはしたくなかったので、わからない箇所があってもスルーで大丈夫です(笑) 読了、感想、ありがとうございました!

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