羽多 奈緒

のっぺらぼうのいない世界へ
主人公はおそらく少年だが、名前や性別すら明らかではない。 ただ「君」と呼ばれ続けている。 一人称でもなく、三人称でもない、この絶妙な距離感が、冷静に考えると過酷すぎる「君」の生きる環境を受け止めやすくしているように感じた。 ノーマンたち数人の友人が、なぜ消えたのか、明確な言及もされていない。 (消えた、死んだ、とはあるが) その不気味さも、二人称が際立たせている。 とても悲しく切ない話だ。 だが、「君」がどうか生きやすい場所にいつか辿り着けますように。 そんな風に祈ってやまない気持ちになってしまう、読者の優しさをかきたてる作品でもある。見事としか言うしかない。Bravo!
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不安定な作調を目指して、二人称にチャレンジしてみました!!最後まで読んでくださり、またうれしいお言葉ありがとうございます。 君と君を取り巻く環境がハッピーエンドになる保障はないけれど、君の心を守るための人格が、見守ってくれたないいなという希望を込めてノーマンを作りました。 君を応援していただき、ありがとうございます!
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