蜂賀三月

似ているようで似てないふたり。ふたりの関係から色々な想像ができて、きゅんとする。
どことなくずる賢い、ひねた性格をしているふたりの高校生の卒業式の物語。一見関わりのなさそうなふたりには、実は創作活動をしているという共通点があった。ふたりは器用で、でも不器用で。青い春の空気が文章から伝わってくるようだった。この物語で強く惹かれる部分は、「無理やりやらされる創作」と「自主的に行う、誰かに届けたくてする創作」の対比。その真剣な感情が込められた文章や絵を、物語のなかのふたりの会話から想像することができる。たった一言で伝えられることを、創作物に乗せて行うのは照れ隠しなのか、怖いからなのか。どちらにせよ、そのときの感情は尊く価値のあるもの。 素敵な小説、ありがとうございました。
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