南波 碧

心を激しく揺さぶる、切なくも眩しい青春の物語
音楽が好きだから……そんな想いで読み始めた物語でした。 歌うことが好きなのに、喉の病気で歌えなくなってしまった主人公の一色。 好きなものを捨てなければならない気持ち、可能性を捨てられなくて縋り付く気持ちが、痛いほどでした。 そんな一色を励ました絵。 間接的でありながら、シャッターに描かれた絵を通しての二人の想いが心に沁みました。 もう一度、一色に歌を歌う事を、半ば強引に勧める成瀬に秘められた悲しい理由。 後半からは何度も涙させられました。 中でも一番胸を締めつけられたのは、一色の歌を聴きながら、笑顔で涙を流す成瀬。 そしてそのシーンを目に焼き付けようと写真に撮るような仕種。 ここからはもうずっと文面が涙でぼやけながら、読んでた気がします。 成瀬がシャッターに描いたアート。 一色が歌う歌。 両方とも、全て文字だけなのに、目に鮮やかで優しさが溢れる『絵』が見えました。 歌詞から、勇気を貰い、心を揺さぶる感情や『音』が聴こえました。 そして脇役のキャラも素晴らしい。 作中に「アフターグローって夕陽のことだったんだね」という台詞がありました。 私は『残光』と解釈していて、『さよなら、残光』ならば、成瀬は光を失ってしまうのだとずっと思い込んでいて、心を痛めながら読み進めていました。 だから、展開が違っていて、心の中が晴れました。 それこそ、最後に綺麗な夕焼けを見せて貰ったような気になりました。 本当に素敵お話でした! 感動をありがとうございました! (取り留めのない感想でごめんなさい!)
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碧さま。 この度は作品の読了、そして温かい感想まで送ってくださり、ありがとうございます。 少し自分語りになってしまうのですが、私は高校時代にやり残したことがたくさんありまして‥‥大人になった今でも「あの時あれをやっておけば良かった」なんて後悔することがあります。 この作品は、もどかしさや葛藤。そして、若さゆえの怖いもの知らずなエネルギーを思い出し、筆を取ったのが始まりでした。 綺麗なだけじゃない青春時代を書きたい。傷を負いながら自分を模索するキャラを書きたい。そんな思いを毎ページ丁寧に読み取ってくださり、何度も折れそうになった心が励まされました。本当に感謝しております。 私自身、書いて
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