群青党支持者

いやあ、素敵だなあ
素晴らしい作品でした。何になりたいのかもよく分かっていなかった主人公が、一人の青年と出会い、彼に今までの人生や思いを洗いざらい伝える。そして最後には、希望を得る。 その過程が、美しい文章で書かれていました。内容も好きですが、個人的には文章が大好きです。一言紹介文の、「道路に投げ出した・・・・・・」の一文が最高にかっこいい。題名も美しいし、センスがある。 そして、「重いものを何も背負っておらず、平凡な人生を歩んでいるからこそ、何かが足りないと感じている」という主人公の気持ちにも、共感できるところがありました。 私達の多くは(といっても、どれくらいの人かはわからないけど)、みんな「比較的平凡な人生を歩んできた人」の中に含まれると思います。そうでない人ももちろんいるでしょう。しかし、平凡な人たちは、重いものを背負わず、つらい思いをしていないと同時に、何も持っていない。逆説的に、何かを抱えた人のことがどこか羨ましく感じられてしまう。 主人公が苦労ばかりしている漫画や小説、アニメ、映画を読んだり見たりしているときにふと感じた感情の意味が、やっと分かったような気がします。 そうか、自分は背負うために汗をかくほどつらい経験をしていないから、彼らみたいに苦しんでいないから、どこかむなしいのか、と、心のなかにすとんと落ちてきました。 それと、先述しました通り、文章が非常に好みです。美しい。 「そこにあるのは全部、君から君への・・・・・・」という、細目の青年の最後の言葉がかっこいい。紹介文が素敵。どこか詩的な文体。 それから、8ページあたりの灯里さんと主人公の描写も好きです。 直接的な表現を避けつつ、比喩を用いて、美しくその情景を描いている。とてもきれいだと感じました。 長文失礼いたしました。素敵な作品をありがとうございました。

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