【コメント】世界観が素晴らしく、とても素敵なお話でした！

一樹の蔭〜放免の平安事件簿〜

世界観が素晴らしく、とても素敵なお話でした！

舞台が平安ということもあって、現代とは違う法律、常識、身分の差、そんなようなことを、説明口調ではなく話の中に自然に組み込まれていて、頭で物語を止めることなく読むことができました。まず、誠と雅近の関係性が、最初から最後まで貴族と放免というのがとても良かったです。雅近の、言葉の端からは伺えない高貴な身分が、それにこだわらない彼の性格を表していて、最初から好感を持てました。それに誠の、雅近に対しての無礼を気にする心情や、いざという時は死をおそれない心構えが、現代とは違う、平安時代ならではの考え方だなと思いました。誠が捕らえられて過去が明かされた時の衝撃と、それでも雅近が今まで一度も見せなかった高貴な身分を使って誠を助けるところ、すごく感動しました！誠が雅近の従者になるのを拒む理由、それを自分からではなく雅近の長けた観察眼から発せられた時、思わず感動のため息が出ました。(凄すぎます) 沙貴さんの文章がすごく読みやすく、難しい単語も説明も、読んでいてスッと頭の中に入ります。平安時代の、沙貴さんがえがかれた物語の中に引き込まれる、とても素敵な話でした。ありがとうございました！！ (「上質な絹の感触」で感じられる雅近の身分、「傷口からぱっと紅い花が咲く」などの、細かく華麗な表現がすごく好きです…！)

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