美風慶伍

人生に迷う3年間が過ぎ去る時、彼ら4人は〝彼女〟のために曲を送る
この作品を読み終えた時、思い出したのは自分自身の高校の3年間だった。 何ができるのか? 何を目指すのか? どうすれば壁を越えられるのか? そもそも自分自身が目指す道はこれで正しいのか? 汲めども汲めども、次々に希望は湧いてきて消えることはない。 何より何が正しいのか、何が正しい道なのか、見えてこないがために、思うがままに歩み進めることができない自分自身に市松の劣等感を抱いた。 そして友達と先輩と時には家族と、語らい合い、時にはぶつかりながら、貴重な3年間の中で自分なりの答えを見つけ出す。卒業からさらにその先に伸びていく人生の長い道に向けたスタートラインにたどり着くために。 過ぎ去ってしまえば、もう二度とは帰ってこない3年間。誰もが通り過ぎるだろう〝青春〟という名の大切な3年間は、誰もが一度は味わうことのできる価値ある時間なのだ。 物語の中で主人公の蛍は猛烈なコンプレックスに悩まされている。優秀で何でもできる双子の兄弟の遥に対しても苦手意識を持て余している。そんな遥に強引に引きずられるようにして進んだ高校で彼は運命の出会いをする。 面倒見の良い岡部先輩、口が悪いが抜群のテクニックを持つ柳田、それに双子の兄弟の遥を交えて、蛍のバンドライフが始まる。 しかし4人が4人とも人生のしがらみを抱えている。乗り越えなければならないライフテーマを持っている。初めはうまく歯車が噛み合わない彼らだったが、大切な時間の中で少しずつお互いに信頼を積み上げていく。そして蛍は自分の人生を変える大切な出会いをすることになる。 仲間、やりがい、才能、そして夢―― 高校生ライフの中で蛍は自らが見つけたものを1つの曲へと結実させて行く。彼だけに訪れた大切な出会いのその人への手向けるために。 見事なまでの音楽青春ドラマを結実させた傑作である。
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どうもどうも! とても素敵なレビュー、ありがとうございますぅ。゚(゚´Д`゚)゚。 いやはや……鬼のレビューとの事でしたので、かなりおっかなびっくりでしたが、まさかこんなに丁寧にお褒めのお言葉を頂けるとは……! 本当、作家冥利に尽きますねぇ_φ(・_・ 今作はかなり色々な方にご支援頂いて完結致しましたので、これも一重に応援して下さった皆々様の御力ですぅ この度はありがとうございましたぁ! またご縁がありましたら、是非是非宜しくお願い致しますぅ
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