痛々しく青春。
学生演劇サークルの卒業公演の準備期間を舞台に、演出家と元恋人の作家の心の部分を、推察からの真相の出し入れで印象深く描いた青春短編。 1ページ目に脚本の型、本文冒頭に相手役女優の独白、と外殻から世界観を掴まされ、物語にあっという間にのめり込んでいました。 芸術家らしい自己評価と独りよがりに鬱々とした倒錯を感じ、葛藤に目を背けないこの年代特有の青春が痛々しい程に描かれており、最後まで暗喩する手法で終幕するお話に心ごっそり持ってかれました。 物凄く面白かった! 私好みでした。

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