二葉みどり

深くて読み応えのある作品です
まず物語の始まりに一気に引き込まれました。 突然起こる不可思議な現象に、読者も全く何が起きているのかわからず、ミステリー?心霊?それともファンタジー?など全く予想がつかず、この現象がこれからどう展開していくのだろうと、一気に興味をそそられました。 序盤は主人公が幼いからこそ、彼女が見たそのままを表す単純な文章で表されていて、私自身もその現象にあったかのような臨場感を味わいました。 もうこの時点で、私自身も彼女にのめり込んでしまっていたかもしれません。 それから物語は進んで、実は不思議な現象は悲しく、そして心霊よりも怖いことであることを知ります。親の事情を子供に押し付ける怖さを体感するとともに、こうして育った彼女はこれからどうやって生きていくのだろうと、深い不安に駆られました。 そんな厳しい束縛の中生きてきた彼女に、「自由なんだ」と言う夫の言葉は、彼女の世界を変える救いになったのではないでしょうか? それに「一緒に歩く」というのも、変わった世界に対する不安を払拭してくれるように感じます。 アイシャドウを買う、という些細なことでしたが、こういう些細な出来事で人は変わっていくのかもしれませんね。彼女の気持ちを汲んでこう言う機会を作る夫様には感服ですね。 短編でしたが、たくさんのことを考えさせられる深くて読み応えのある作品でした。 たった6ページでそれを感じさせる作者様の技量に脱帽です。 素敵な作品をありがとうございました。
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二葉みどり様 この度は『鏡のなかの』をお読みくださり、更には素敵なレビューまでいただき、ありがとうございます! 物語の始まりの雰囲気、中盤に明かされた主人公の背景、後半からの結末に至るまで、1ページ1ページ丁寧に感じ取ってくださったことが伝わる感想が本当に嬉しいです。 特に主人公の背景について、二葉さんが「心霊よりも怖い」と述べてくださったことはまさに私が伝えたかったこと。敢えて不可思議な現象から物語を始めた後で背景を明かしたのも、歪な親子関係の苦しさや怖さをより切実に描きたいからでした。 更に、そればかりでなく後半の彼女が夫と新しい世界に歩み出していく希望にまで言及してくださったこと。作
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