美縁

久しぶりに会った親友の母は言った。 「私は煙草を辞めない。もしも彼氏や旦那が煙草が嫌いで辞めろと言ってきても、貴方は『私』を好きになったから選んだんでしょう?なのに何故その私を変えようとするの?それなら煙草を吸わない女の子を好きになりなよ、そう言ってしまうわね。」 昔から男の好みに知らず知らずのうちに寄せてしまう私は彼女が羨ましかった。 誰かに好かれる自信がある彼女がかっこよかった。 「旦那が浮気しても高級なアクセサリーを買ってもらって済ませてるわ。別れたいならどうぞ?別れたくないなら買ってねって。それで買ってもらったアクセサリーは常に身につけて日々釘を刺すのよ。」 私には出来ない。それで本当に別れを言い出されたら耐えられないから。 私は誰かに嫌われる事が何よりも怖い。 自分をどうやって愛せば良いか分からない。 「貴女はもっと自信を持てば良い女になるのに、何故持たないの。結局別かれてその後を楽しめる貴女は十分に強くて魅力的な女性よ。」 彼女はそのまま私にこう言った。 「私も別に別れを告げられない自信がある訳じゃないわ。自分を一番幸せに出来るのは自分だということに自信があるの。捨ててくるような男と無理して一緒に居るよりも、1人でも何となくでも楽しく生きていられる方が良いじゃない。そう考えているだけよ。」 「貴女が今、楽しめているのなら大丈夫。また迷う事があれば今を思い出せば良い。その男の人生じゃない。貴女の人生よ、もっと大きく華やかに生きなさい。」 私もこんなかっこいい生き方が出来るだろうか。 私の別れ話から始まった再会は、いつの間にかこの先の人生が楽しみだという話に変わっていた。 ここ数年でポジティブな人のパワーに助けられてるなぁと感じる事が増えて、いつの間にか周りからも私はポジティブだと言われるようになりました。 パワースポットのような人がいる今の環境が有難いなと思った出来事でした。
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