昭島瑛子

正解の見つからないコロナ禍でもがく青春
約三年続いたコロナ禍。大人にとって三年は気づけば過ぎ去る時間ですが、三年あれば子供は大きく成長し、人生のさまざまなステージを進みます。 この物語が始まる時間はコロナ禍よりもずっと前、いろいろな未来が当たり前にあると思っていた頃から始まります。だからこそコロナでいろいろなものが奪われていく辛さを色濃く感じます。 2023年を生きる私たちにはコロナ禍がどう推移していったのかという記憶がまだ残っています。寛二が目指している甲子園がどうなるか、「夏にはコロナは終わっているんじゃないか」という希望は潰れることを知っている。未来が潰れていくことを知っている今だからこそ胸に迫る作品です。 コロナで自由な活動を奪われた運動部員たち。続ける者にも離れる者にも葛藤があります。物語の最後に亜衣が「正解なんてきっとなかったんだと思う」というのがまさにコロナ禍に青春時代を過ごした人たちを現していると思いました。 うーん、この作品のすごさを書けていると思えないので最後に登場人物たちについてつらつらと。 ・寛二:寛二の大きな声がこの作品の鍵だなと思いました。コロナだから大声を出せずに寛二の声が聞こえなくなる虚しさがコロナ禍の運動部の苦しさとして伝わってきました。 ・向井くん:体の大きな向井くんがビリヤードは初めてでうまくできないシーンが愛らしかったです。 ・北山:北山のチャラさが実は救いのような気がします。 ・横島:本作唯一の文化部。彼なりにいろいろ思うところがあってあの態度だったんだろうなぁ、などと考えてしまいます。最後にいいとこ持っていきましたね!
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実はこの作品は2年前に昭島さんから色々とアドバイスを受けて書き直した作品でした。 最初に書いた作品を見直すと、昭島さんのご指摘そのもので、とても恥ずかしかったです。 この作品(初稿)の時点で、昭島さんから時系列の大切さ、物事の事実があるならばその正確性と矛盾点に細心の注意を払うことを教わりました。 正直、もっと良くなるしもっとよくできる余地があった作品だと今も思っていますが、一旦ここであげることにしました。 こうして昭島さんからの感想をいただけて万感の思いを抱きつつ、応募期間が過ぎれば、もっとブラッシュアップしていくべき作品にしていこうと思います。 ありがとうございます!
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いやー、そのアドバイスは私のここ3年ほどのエブリスタ生活の中で「やらないほうがよかったんじゃないのお節介案件」として記憶されているのでなんだか申し訳ないです。 私は細部にこだわってしまうのですがそうではない作品もこの世界には多数存在していますし、小説こそ何が正解かわからずにもがくものだよなぁと思っております。正解が一つではないですしね。 難しい作品を完結させ公開したことは山城さんにとって財産だと思います。 まずは受賞を祈っていますが、ブラッシュアップにも期待しています!
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