平和 一

【平和一漫画原作塾】(1/2) こんにちは。 少年漫画の原作ではありませんので十分深いコメントができるかどうかはわかりませんが、一般的な物語論の部分で添削させていただきます。 ■物語 ホームコメディ作品として一見まとまってはいますが、同様の他作品と比べて特出する要素が見当たりません。 キャラクターについては詳しくは後述しますが、いずれも表面的です。 エピソードについても、展開が場当たり的に感じられ、リズムもよくありません。 基本中の基本ですが、起承転結を意識して、転にどのようなエピソードを持ってくるかを最初に考えて構成した方がいいでしょう。本作の場合は、大吉のどのような行動で悪役の度肝を抜くか、といったところでしょうか。現状ではわりと最初から大吉のフリーダムさで悪役が困惑しており、承と転に差がなく、起承承結という状態になっています。 この転のエピソードこそが最重要ですので、他の作品では誰も見たことがないようなものを考えてください。現状、大吉のいずれの行動も予想の範囲を超えるものではありません。 赤ちゃんでこそありませんが、『ホーム・アローン』は同じように子供が悪役を撃退する話でした。こちらは主人公が悪役を翻弄するのが承となっており、悪役にやられかかるのが転となります。序盤から大吉の行動で悪役を困惑させたいのであれば、そういう作り方もあります。 ■キャラクター 大吉側と悪役側とどちらにフォーカスするかで方法はわかれますが、現状ではどっちつかずになって、両方とも表面的なキャラクターになっています。 大吉側にフォーカスするのであれば、もっと彼なりの感情なり嗜好なりが背景にある動き方をして、愛されるキャラクターにする必要があります。現状は、「なんかよくわからないけど予測できない動き方をするモノ」になってしまっており、大吉を愛する要素がありません。 逆に悪役側にフォーカスするのであれば、大吉はそういうモノで構いませんが、もっと破天荒にする必要があります。現状だと、コメディ作品でよくあるネタの域を出ていません。また、二人のキャラクターもよくいる間抜けなコンビの悪役のテンプレートそのままで、独自性がまったく感じられません。 設定としては、「実は金持ちの息子である」というちょっと工夫すれば面白くしがいのありそうな設定がありましたが、作品に生かされていないように思いました。 【続く】
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【平和一漫画原作塾】(2/2) ■まとめ ・起承転結を意識する ・もっと予想を超える破天荒さを ・メインでどちらサイドにフォーカスするかを決め、深める
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