近藤黎児

 昨日のMr.サンデーで取り上げられていたのが、最近甲子園を席巻している応援「盛り上がりが足りない」だった。  一番注目されたのは準々決勝の試合で、台風7号の影響で吹奏楽部を始めとする応援団の到着が遅れた事だった(8時間遅れた)。残った補欠野球部員を含む6、7名で応援しなければならない時に「アレなら出来る!」と閃いたのが「盛り上がりが足りない」だった。  実は「マネをした」との事でルーツを探ると10年前のYouTube(インフルエンサー)がきっかけだった(元祖は「盛り上がりに欠けてる」)。ネットでも「居酒屋のコールっぽい」とか言う否定的な大人の意見もあって賛否両論らしい(しょうがないよね。元々居酒屋のコールネタの一つだったから)。  しかし、とくに若い世代に刺さった理由はやはりコロナ禍で声出しや騒ぐ事が抑圧され、その意味もなく滾る青春のぶつけどころが無かった反動が大きい。歌詞も「誰かを傷付けない」内容で時代を反映しているような気がするが、同時に「自分たち応援する側も盛り上がりが足りているのか!?」と言うのを問うような意味もありそうで、選手に向けながらも自分たちも相応のものがあるかを言っているようにも聞こえる。  個人的には今年のWBC予選でヒーローインタビューに応じた大谷選手が「まだまだこんなもんじゃ足りないんで、もっと応援をお願いします」と観客を煽るようなコメントがあった。これこそ「盛り上がりが足りない」が時代を捉えた瞬間じゃないだろうか? (今年の話だが)もう過去のような事なので覚えていないと思うが、そう言った背景もあって“今年の流行語”にはノミネートしそうな気がした。

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