小蔦瑠璃

古代ローマがまだ共和制だったころの物語
ウェブ小説で日本の戦国時代を題材にした歴史ものはよく見かけるのですが、古代ローマを舞台にした作品はあまり見たことがなく、興味を引かれて読み始めました。 スキピオが生きた時代、ローマと敵対関係にあったカルタゴによる「ハンニバル将軍のアルプス越え」という、想像するだけで血沸き肉躍る出来事がありますが、この物語では当時まだ若かったスキピオの視点で描かれています。 そして、その出来事を発端に、ハンニバルとスキピオは因縁の相手になっていきます。 若きスキピオがローマを取り巻く様々な状況を憂慮し思い悩む姿は現代社会における私たちの抱えた問題に通づるものがあり、共感しつつ読みました。 後半やや駆け足に感じましたが、史実をなぞるという制約がある以上、第二ポエニ戦争終結後に起こった出来事に関しては資料が少なかったのかなあ、などと想像しました。 わかっていないところをいろいろと捏造してでも、後半のスキピオについて、もう少し長く読み続けていたかった気がします。 好敵手であったハンニバルとスキピオは、後年相まみえているのですね。印象的なシーンでした。 読んで楽しませていただきました。 ありがとうございました。
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最後まで読んで頂き、またいつもコメントやスターなどで応援して頂き本当にありがとうございます。物語の構成上、ザマの戦いをハイライトにと考えた結果、その後が短くなってしまいました。歳を重ねたスキピオにまで興味を持ってもらえたことはとても自信になります。
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