北瀬翔子

他人の(良い)作品を読むとその素晴らしさに感激するとともに、自分の作品の魅力のなさが露呈する。 自分の作品のどこがつまらないかわかるようになってしまう。 すると執筆する意欲が減退してしまうのだ。 だってつまらない作品を書こうとは思わないだろう? 書いてる時は少なからずその作品が面白いと錯覚している。 一種のトランス状態なのかもしれない。 そんな時、ふと自分の作品の栞が増えてるのを見るととてもうれしい気持ちになる。 それはちっぽけなことかもしれない。たかだか栞一つである。 それでも私にとってそれはとてつもなく大きい。 ああ、続きが気になってくれてる、面白いと思ってくれてる人がいるんだ、と感じるからである。 自分の作品が面白いと思ってるうちは、栞がついてもそれは当然の結果だろうと思う気持ちが少なからずあった。 しかし自信がなくなると不思議で、今は純粋にうれしいという気持ちしかでなくなるのである。 これが励みになる。 以前より真摯に作品に向き合える気がする。 ありがとう。 私の拙い作品を読んでくれてありがとう。 自分の作品が気に入らない気持ちは今でもまだある。 それでも私はなんとか作品を完結させたい、そう思うのである。
1件

この投稿に対するコメントはありません