広がりと永遠を感じさせる詩小説 澁谷沓幻想小説集解説
 この作品の根幹部分はかなり多くの前例がある。  ネタバレになるので詳しくは書かないが、藤子不二雄(藤本弘)の短編、手塚治虫の児童向け作品でも見たことがある。そういえば『ハイスクール奇面組』と云う作品もあった。  ただ澁谷氏の作品は他の作品とは明らかに一戦を画している。  即ちストーリーを叙述すると云うよりは、永遠に続く繰り返しへの主人公の想いを作者独自の詩小説と云うスタイルで語るのがこの作品である。  従って主人公の語る永遠の繰り返しの想いとは、澁谷氏の宗教観であり哲学であり思索である。  澁谷氏の作品というのは実は大海原のように広く深いのである。  この作品は水面を泳ぐだけでも流れるような虚げな想いに心を動かすことだろう。  だがこの作品に流れる澁谷ワールドと云うべき大海原に船を漕ぎ出し、海中に身を投じるとき、読者は胸がシーンとなるような不思議な静寂と寂寞、真空感にとらわれ、自分自身をとことんまで見つめ直すことになるだろう。  そこから生まれる新しい可能性は昨日までとは違う自分自身を形成していくことであろう。  私は目先のものにとらわれる凡人であるので、澁谷ワールドのさいはてまで、未だ辿り着いていない。  だがこの作品の広さ、深さ、そして永遠と云う存在に今も大きな憧れを抱いているのである。  そして澁谷氏の読者にはいわずもがなであろうが、みちのくの才媛、澁谷氏の肖像を元にアレンジされた幻想的な表紙に、胸が痺れるような神秘さを感じ、いまだに離れることは出来ない。  イラストと文章で、これほど読者を感動させる作家を私は知らない……。  
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倉橋さま✨ Ultra☆wonderfulなご感想を…有難うございます〜♡ 自分で言っちゃうのもアレなのですが、イラストも、作品も…実はちょっと変わって来てるような気が…なんとなくします。 私自身になんら変化があった訳ではないのですが、特にこの頃、地元や両親のことを考えさせられるようなちょっとした出来事が何個かあって…そうした諸々の事柄に、なんだか引っ張られているような気が致してます。…ルーツへの回帰、とかいうヤツでしょうか…? いつもいの一番に読みに来て下さる倉橋さまには、心よりの感謝です…✨ どうか、今後もお見守り頂ければ…望外の幸福にございます…♪
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 いつもステキなアイコン。次の大河は紫式部。次のアイコンは平安美人で如何でしょうか?
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