伊東いろはす

壮大かつ胸熱!最後まで追いかけ続けたくなる作品でした
作品を読了しましたので感想を失礼いたします。 こちらの作品は架空のスラムを舞台にした長編ヒューマンドラマです。作風としてはハードボイルド。登場人物達を苦しめるシビアな問題、壮絶な戦い、時に非情な展開がノンストップで繰り広げられます。読者の私も幾度となく胸が締めつけられ苦悶しておりました。が、それでもなお結末を見届けるまで作品から離れることはできないほどの魅力が満載です。 まず、各人物の心情とそれに伴う行動の描き方が非常に巧みです。彼らの世界や置かれた状況は、所謂一般的な生活を送る人間(私も含め)からはどこか遠く感じられるもの。それにもかかわらず、作中でイベントや事件が起こる度に、「どうするのが正しい?」「自分だったらどうする?」と、かなり近い距離感で終始思いを巡らせながら読み進めることができたのは、作者様の手腕によるものに違いありません。その上で如何ともしがたい闇を彷徨う試練が容赦なく襲い来るのも、この作品の持ち味です。感情移入したところにそのような展開が待っているので、最早退屈している暇なんかありません……! さて、ここで具体的に取り上げる人物はやはりコーシでしょうか。物語序盤では、飽くまでも主人公はサキ。コーシはそんな彼の連れといったポジションでしたが、第二章以降からはもう一人の主人公として作品を引っ張る存在に変化します。彼もまたスラムに生きる一人。その立ち回り、役割、心の揺れと傷つきと成長と……とにかく見事なのです。 コーシに限らず、作者様は子どもの描き方が秀逸だと思いました。可愛らしいだけの存在ではなく、彼らには彼らの世界や関係がある。それらはピュアなだけでなく、子どもであるが故の未熟さや身勝手さも、この作品では美化することなく表現されています。だからこそその先にある彼らの揺れ動きや変化が本当に愛おしい。それでいうと私は、コーシが中盤以降に出会うマイネス・スキャットの少年や若者達も最高だと思います……! 色々と述べて参りましたが、このレビューでは作品の魅力を語るには全然及びません。ですので、未読の方には是非とも実際に本編を読んでいただきたいと強く願います。約48万文字、引き込まれる面白さが終始途切れることはありません。作中で何度も訪れるスリルに、壮絶さに、そして胸の熱くなるような展開に、間違いなく夢中になれることでしょう!
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P.S. レビュー本文には書き切れませんでしたが、私はアオイとサナの二人が本当に本当に大好きです💓✨甘々な雰囲気の奥に潜む危うさ。その上で、二人の関係の成長と、共に背負う運命の決断。もう…こんなの、夜明けの純愛好きの私が食いつかないわけがないです!!💖💖💖君達は一生幸せでいてくれ!!!! コメント欄使ってまで騒いでごめんなさい…! そのくらい大好きな二人なのに、私の思いを伝えきれなかったことが心残りでここに書き綴りました🙏🙇🫶✨
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いろはすさん、この度はスラムを最後まで駆け抜けてくださり、更にこのような胸震えるレビューまで寄せていただきありがとうございます。 嬉しすぎて昇天するかと思いました😭✨ 本作はかなりの文字数であり、闇深い世界観、キャラの多さなどとっつきにくい要素が多々あったことと思います。 執筆の最中、特に後編に進むにつれて私自身が壮絶な展開とボリュームにまいってしまった覚えがあります😅 それでも一番描きたかったのは派手なアクションや展開ではなく、それらを背景に一本の線に繋がっていく人々のヒューマンドラマ。 途中で投げ出すわけにもいかず血反吐を吐きながら(私が)最後まで書き切りました。 かなりの難産でしたが、
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