倉橋

市井の人々の喜怒哀楽の妙
 この方の作品を読んでいると、いつも少年時代に読んだ庄野潤三の作品を思い出す。  庄野潤三は芥川賞作家であり、第三の新人と目され、市民生活に題材を取り、日常生活の中での不安や発見、喜びを叙情性に溢れた文章で執筆した。  いでさんの作品は、エンターテイメントとは無縁である。いでさんの作品には超人的で個性的なヒーローもヒロインも登場しない。派手な展開も勧善懲悪的なクライマックスも存在しない。  市井を生き、無名のままに生涯を閉じるであろう人々の人生や日常を好んで題材に選び、優しく、時には微かな皮肉も交えてしみじみとしたタッチで描きだす。  いでさんの作品に登場するのは、家族と家庭の幸せを願う私たちと等身大の人々である。そしていでさんの作品を読み終えて深く感じるのは、「人が生きる」という平凡で日常的な世界の中に隠れている大きな感動である。  「人が生きる」。それは何という素晴らしい言葉だろう。それなのに何と多くの人がそれに気がつかずに生きていることだろうか。  「人が生きる」ことの喜怒哀楽をテーマとしたいでさんの作品は、恐らくは多くの方が読みながら何度もうなずき、改めて自分自身を振り返り、そして読み終えたときには、多くの方に共感と希望をもたらすであろう。  いでさんの作品の魅力を語るとき、私はどうしても庄野潤三氏の作品群に結びつけて語らずにはいられなくなるのである。  いでさんの作品は人生の応援歌として、もっと多くの人に読まれて頂きたいと思っている。  私はノーベル賞作家でも芥川賞作家でも妄想コンテストの受賞者でもなく、いでさんに感動のお礼を何も差し上げられない葦草に過ぎない。  だが今回の作品に感動したお礼として、出来るだけ大きな声で叫びたい。    この作品を讃えよ!  いでさん、感動をいつもありがとうございます。  これからも感動させてください。  
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倉橋さま、作品以上のお褒めの言葉をいただきましてありがとうございます。 いつもながら、もったいなくて…。 本当にありがたいです。 どうも有難うございました。 倉橋さま、寒暖差が大きいですのでご自愛下さいね。 ありがとうございました。
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