"違い" の巧さが光るストーリ―
・違い  二種類あります。一つは、大空と自分の容姿の違い、"異性" として視るための描写。身体の小ささなんかが顕著でした。もう一つは "興味" の描写。栞など、主人公にとって興味のない情報を見聞や簡素な評価で表現しています。この違いが上手だなと思いました。 ・音  水、花火、セミ、様々な角度や場所で、非常に多くの音が出てきます。面白いのがこれらの音、メインよりも、その外側で鳴ることの方が多かったことです。キスの音もモチロンあるのですが、それだけでなく、いわば "外界" の動向として音を使っているのが非常に面白かったです ・行動と感想  主に行為中。描写を事細かに書いた後で、主人公の抱く感想をつづっていました。情報・事象のINと、感想・行動のOUT。明瞭かつ直流で一人称視点における『コイツ何してんの?』がなく、違和感を感じず読むことができました ・小さなハコニワ  ストーリーが小さな世界で完結します。無駄な配役を置かない、容姿の連想に対す因果、この二点に関しては素晴らしいのですが、狭すぎると今度は読者にとって "未知" が減り、定石めいた展開が読む手をためらわせてしまいます。配置だけでなく属性についても、その大半が同性愛者でした。そうじゃない人ももうチョットいた方がより一層、この作品に深みを与えてくれるかもしれないです ・最後に  悲恋でややハーレムめいたストーリーと、何気ない暖かさを与えてくれる丁寧なラストの結末が非常に面白い作品です。それぞれの人物に対する主人公の心情の描写が繊細で、好感度や関連性などもひしひしと伝わってくるので、読んでいてのめりこみやすいと思います。  『可愛い』と言われてうれしい気持ちには憐憫すら感じる程 同情できませんが、今井とのシーンは共感しました。そうなんですよね、同性だからとかそういうの関係なく、普通に自分よりも強い存在から向けられる好意って怖いんですよ  BL興奮しないのであくまでも描写や作品としての感想になりました。すいません。作者様の性別はともかく、男と男にも確かにある、"違い" を上手く書けていると思いました。背とか手とか足とか全然違うんですよね、乗っかられると『あ、勝てねぇ』って確信します。ドキドキってやっぱ違いがあって初めて来るものですから、そこの未知に対する洞察力は確かなものです。これからも頑張ってください!  
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感想ありがとうございます。 不安に感じていた描写について、褒めて頂けて嬉しかったです。音については、成る程と思いました。 一人称一視点(しかも主人公が内向的)だと、どうも世界が広がらず…。欠点であり、やはり今後の課題だなと改めて感じました。 この度は、本当にありがとうございました。
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返信ありがとうございます。 本当は作品としての面白さについても もっと書きたかったのですが、BLに対して現在フラットな目で見ることができずこのような感想になってしまいました。本当に申し訳ありません。 いつかもう一度、純粋に楽しめる状態になったらもう一度、他の作品も読みに参ります。
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