すぐれた言葉の魔術と博識で読者を楽しませるエッセー
 私は澁谷沓氏の読者としてこのシリーズを愛読しており、誠に僭越ながら何度か拙い感想を書いてきた。  澁谷氏は優れた作家でありエッセイストであり、日本中より多くの読者を集めて然るべきという思いからである。  このシリーズは、「ユーモア・エッセー」、或いは「ユーモア・コラム」と呼ぶべきかと思う。  『ジョーズ』の原作者、ピーター・ベンチリーの祖父、ロバート・ベンチリーがそうであり、自ら演出した虚像のキャラクターの語る皮肉と諷刺、ナンセンスギャグ、言葉遊び、楽屋落ちとあらゆる要素の詰まったコラムは、アメリカ中で愛読され、ブロードウェイでは日本で云う「ひとり芝居」までして拍手喝采をとり、ついには映画にまで出演している。当時の「マルチタレント」であり、その人気は遂に孫の及ぶところではなかった。  そして私はこのシリーズを読む度に、どうしてもベンチリーを連想してしまうのである。この連想ははずれてはいないと思う。  澁谷氏の魅力のひとつは「言葉の魔術師」と云うことである。  澁谷氏はサラサラ書いているように見えて、実際には吟味に吟味を重ね、流行語も積極的に取り入れ、本人も話し言葉も交えてボケまくり、爆笑に次ぐ爆笑を演出している。  そして仔細に読めば、思いっきり話題を落として笑いを誘っているように見えながら、実際には作者のインテリジェンスに基づく、皮肉や諷刺などの作者の思想が行間に込められており、それが凡百のエッセーには太刀打ちできない知的さ、深さを感じさせるのである。  エッセーでボケまくる澁谷氏は云うまでもなく、エッセーの中の虚像「澁谷沓」であり、実はみちのくの才媛がエッセーの主人公となって、舞台狭しと飛び回る見事な「ひとり芝居」である。  こんな面白くインテリジェンスをニヤリとさせるエッセーを読まないことは、あまりにも残念なことである。  これからも永遠に書き続けて貰い、いつかは東京の国立劇場の舞台で朗読して欲しい。  そんなまるっきりの夢ではない希望を込めて、この拙い感想を終える。            2024年 澁谷沓氏のみちのくからの活躍を願って
1件・2件
倉橋さま✨ またもまたも…💡(←?) 勿体無くも有り難きゴ感想を…心よりの感謝ヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。を申し上げさせて頂きます…✨ このシブヤクツ…倉橋さまにお喜び下さるのならば、オトメの命(←…)果てるまで…シツっこく書き続ける所存にございます…✨ て…ロ…ロバート・ベンチリーさま、とか…♪(※浅学☆浅薄女の私ですから、ええ…Wikiまで💨しましたとも…♪) この度は…またも、倉橋さまに…指針を与えて頂いたような心地です…✨ この際、近所の児童館でもイイから朗読劇開催〜✨…となった暁には、倉橋さまに是非に監修をお願い申し上げたい…等と厚かましいことを思ったり…✨ ともあれ、熱
1件1件
 ありがとうございます。澁谷さんからご許可頂けるなら、いつでも名古屋空港から山形でも青森でもお伺いします。ただ辿り着くまでに雪に埋もれてしまわないか心配です。ベンチリーは以前、ミステリマガジンでひとり芝居などが紹介されていました。それからヒッチコックの名作『海外特派員』、大笑いの『アラスカ珍道中』に出ていますから、機会がありましたら……。「言葉の魔術師」と呼ばれましたが、日本語の字幕では無理みたいです。
1件

/1ページ

1件