迫真性
 主人公の男子中学生と、その母親。  母子二人の継続する何でもない日常の難しさ。  この小説で描いているのは、生活の中で起こりうる苛立ちや衝突と、強くも何気なく生きようとする中で気付き立ち返り和解していく、感情的でリアルなヒューマンドラマでした。  迫真性のある思春期特有の感情の不安定さは小さな痛みを持っていて、だからこそ中盤以降に想いの迸った場面に感動できたように思います。  最終盤爽やかで和やかなシーンで締め括ってあるのも、未来を感じさせるエンディングでとても良かったです。  とても良い短編小説です。 ちょっとフラットな気持ちで読書してほろほろと泣けてしまうような、感動作でした。  ありがとうございました。
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トコさん、レビューありがとうございます。 「何でもない日常の難しさ」というお言葉がまさに本作にぴったりだと思いました。 身近な人が言っていたのですが、快適な生活や良好な関係を保ち続けるには「現状維持」じゃ足りないそうです。 お互いが現状を維持するために努力・改善し続けないと、本当の意味で現状維持はできないのだと(目から鱗でした)。 だけど課題を解消したり、現状を改善したりするには、相手と向き合って話し合うことが必要で……その怖さや難しさを描けていたら良いなと思います。 Xでもお伝えしたのですが、母は実際の母をモデルにしていて、主人公の鷹也はほぼ自分でした。過去のわだかまりやモヤモヤを解消したく
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