大佐戸達也

美しくも生々しい空想科学ファンタジーです
僕の理解が浅かったら本当に申し訳ないのですが、感銘を受けた作品なので、感想を書きたかったです。 記憶をめぐる空想科学ファンタジーで、主人公シュリとグレンが人探しをするところから始まります。その過程で少しずつタネ明かしされる、不確かな記憶の正体、自分は誰なのか? 思わずぎゅっと何か固定されたもの(手すりとか)を握りたくような所在無さが、この物語の圧倒的な魅力だと感じました。他方、やがて明らかになる真実は妙に生々しく、まるで嗅覚を刺激するようなリアリティです。  とても雰囲気のある美しい文体で、旧市街の街の雰囲気、時間軸と空間軸、胸のざわめき…、それをラストまでずっと魅せ続けてくれる物語だと思いました。感想を書いていて、「たぶん魅力の8割も分かってないかも」という自信を持ちました!(←?) とにかくオススメです。

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