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イヌカミさまは遣唐使!
黒沢えりか
2024/3/8 16:48
犬上御田鍬の波乱に満ちた彼の異聞録!
イベント参加ありがとうございます。 犬上は15年前に隋に渡った最後の遣隋使であった。今は隋は滅んて唐が隋よりも栄えている。舒明天皇から最初の遣唐使の命を受けた犬上は、漠然とした不安を家族に話そうと思った。 「ただ今、帰った」 質素な木の戸の前に立ち、ガタガタと戸を引いた。 「お帰りなさいませ」 妻の声が聞こえるはずだった。 しかし、戸を開けた向こうの空間にいた女子が、「勝手に開けないでよ。勉強してるんだから」こちらを振り向いた女子と目があった。 「誰ですが?」 「あ、いや」 「答えないと警察呼びますよ」 「待ってくれ。話せば分かる」 「誰?」 「犬上御田鍬」 「あなたは犬よ」 「そんなぁ」 「あなたにそんな権利ないわ」 「イヌさん。あなたはタイムスリップしてきたのよ」 「は、はぁ」 女子校生はスマホで調べる。 「最初の遣唐使!凄いじゃん」 「凄いのか」 「凄いよ。ちゃんと書いてある。イヌは仕事を全うして帰ってくるって」 「俺、帰るよ」 「どうしたの?」 「ありがとう。1000年以上経った今も日本でよかった。未来の日本を宜しく」 その言葉を言いながら犬上の姿は徐々に薄れて消えていく。 「昔のイヌカミさまも頑張っている事だし、未来のイヌカミも頑張っちゃうかな」 そう呟いて勉強机に向かった。 最後まで面白く読ませて頂きました。 イヌと女子校生の会話。 タイムスリップ。スマホ。 凄いですね。普通の文章力じゃないですね。 良い作品に出会えたことに感謝!
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咲翔
3/8 21:29
素敵なイベントの企画、並びに感想コメントをありがとうございました。犬上御田鍬、という人物を僕自身よく知らなかったので勉強しつつ、執筆を進めていました。歴史というよりは、コメディ、ファンタジー要素のほうが強い作品となりましたが、まあそれでも良かったのかなと。黒沢さんのお言葉の一つ一つが嬉しいです。レビュー、ありがとうございます✨✨感謝申し上げます!
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