群青党支持者

美しい終わり方だけではないのが、本当に素敵です。
 読了いたしました。ちょっとあまりにも素敵な作品でしたので、未だ震えております。  かつて、ある英雄が戦争を終わらせた。自国の民を皆殺しにすることで。そんな衝撃的な幕開けから一転、アランとロナの楽しい回想が──と、思いきや。とにかく、いろいろな意味で度肝を抜かれました。ロナが、愛する人への気持ちだけで突っ走りすぎたことを、可愛そうだなと感じられなかったこともどこか恐ろしい。優しい子だと思っていたのに。  どんでん返しの連続もそうですが、話のもっていき方が本当にお上手で、痺れました。花というキーワードが出た時点で、どうやってお花見というテーマに持っていくのだろうとは思っていましたが、そういうことですか。最後の、罪と書いて花と読ませる部分が本当に美しい。元々作り上がっている設定や世界感から、流れるようにお題へ繋げていくので、本当に毎度毎度感動しております。  ロナのアランに対する思いは、最初は純愛だと思っていましたが、そこまで綺麗な想いではなかったことも驚きです。aqri様のことですから、ただの純愛では終わらないだろうと感じていましたが、ロナのどこか狂気じみた、そして報われることのない愛が最後まで感じられて、(全然違うのに)悲恋物語のようにも思えてしまいます。  そして何より、ラストの絶叫が悲しく、怖い。直前までの感動的なエピローグの後ろにこだまするロナの悲鳴に、戦慄しました。暗い過去に囚われず前を向いて歩き出すラストには、平和への希望の始まりという明るい空気の中に絶妙な後味の悪さが混じり、どこかもやつくような、すっきりとは終われない終わり方でした。が、そこが作品の魅力だと思いますし、とても好きです。  長い駄文とはなりましたが、この度もとても素敵な素晴らしい作品をありがとうございました。
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感想ありがとうございます!ほのぼの純愛、は思いつきもしませんでした(笑) 両極端となった二人。ロナの話だけでも、アランの話だけでもだめで二人合わせてやっと完成なんですよねこの話。 ここまでいろいろ感じてくださったことに感謝です。書いてよかったです。
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