大佐戸達也

たった数十分の出来事と、心の小さな昂りを描いた作品です。
 新幹線でたまたま隣り合わせた、たった数十分、他人同士の二人。隣に座る女性は、家に泥棒が入ったという話をする。ただ相槌を打っていたはずの「私」は、記憶もないほど昔に別れた母の存在に思いを馳せる。  何気ない会話を重ねるうち、「私」の内側に生じる感情の小さな昂りが、読み手の心の中にも沁み込んでくるようです。こういうものを書けるようになりたいなぁと思わされた作品でした。
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