大佐戸達也

体験しないと損する瑞々しい読後感です
 最初に読んだ森岡さんの作品…。今読んでも、惹かれるわけだなぁと実感します。  突然の落雷で動かなくなった車の中に「恵莉」は同僚の「淳一」と取り残される。彼は子どもの頃からの付き合いで、今は思いを寄せる恋の相手。JAFが来るまでの時間、気象予報士の彼は「夕立のときに降る雨以外のもの」について話し始める――。  序盤は軽快なコメディタッチの語り口ですが、やがて物語が進むと、時間と空間を越えた幻想的なSF作品に化けていきます。SFが苦手な人でも、この瑞々しい読後感は体験しないと損かもしれません。
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