子供を見守る社会のまなざし
とても胸を打たれるストーリーでした。 あまり詳しく書いてしまうと本当にネタバレになってしまうので、控えますが…… 人が魔がさすような行為をする時って、精神構造としては非常に複雑だったりする。同情の余地のない場合もあるけれど、そうでないことの方が、実は多いのかもしれない。 やましい行いの陰には、満たされない思いや寂しさが心に穴を開けている。それを何とかして埋めよう、埋めようとしているうちに、気がついたら犯罪に走っていた。そういうケースが、実際に後を絶たないのだよな、と考えさせられました。 そして近年、失われつつあるソーシャルアンクル(アント)、つまり、親ではないけれど地域の子供たちを見守ってくれるおじさん、おばさんたちの温かいまなざし。それを主人公から感じられて、ホッとしました。こういう存在が自分を見てくれていると思うと、子供は救われますよね。 複雑に折り重なった社会問題と救いを、たった一個のお菓子で表現していく展開の素晴らしさも見どころです。 人は些細なことに傷つき、些細なことに救われる。そんな言葉が思い出される、とても素敵な物語でした。
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蓮未さん、丁寧に読んでくださり、本当にありがとうございます😊💓 拙作全てに通ずるテーマとして「自分のことは自分で考えて決める」というものがありまして。近頃の若い子たちは、なんでも間違えないように、傷つかないように先回りして守られ過ぎ&看過され過ぎなところがあるのではないかな、と感じております。そういう意味では主人公も先回りしちゃった感じがありますが、最後の決断は委ねさせました。 蓮未さんの仰るように、全然知らない人から注意されることも、今はほとんどないでしょうね~。なんだか寂しいですよね。昔はそうやって常識とか民度が保たれてきたと思うのですが……。 優れた書き手さんならではの視点でご感想
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