まなひぐち

彼女の心の小さな怒り
一人の少女の決別の物語。読み終わって感じたのは、主人公 アスカのなかで発生したであろう”小さな怒り”でした。 小さな、と記していますが、これは決して小さなものではありません。受けた心の傷ほど大きく、根深いものです。今まで感情を表に出せなかった彼女から噴出された怒りが印象的でした。 彼女の内面は幼少期の体験から仄暗いものでしたが、その悩みを丁寧に描写していて、共感する部分もあり、よりいっそう物語に引き込まれていきました。 そしてその分、彼女が初めて体験したことや食事の描写、夢の世界、そしてシオン・クレイ・ミルの三人の存在や描写の美しさが際立つ作品でした。
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