有澤いつき

 最新のページまで読ませて頂きました。ボクシングの描写と気になったことについて触れさせて頂きます。  良くも悪くも高校生の青春風景を客観的に見ているような小説でした。作者様が長い時間をかけて高校生の青春を描こうとしているように感じます。ひとつひとつのシーンの摘出が丁寧だと思いました。  ボクシングの描写について、練習はメニューを仔細に挙げ、知識として十分なものを有していることがわかります。ただ、打ち合いとか実際にやりあうときの爽快感とかアクティブさに欠けます。この小説全体に言えることですが、「誰が何をした」という事実をのべることに尽きており、そのとき主人公は何を思ったとか、心理的な面が理解できません。試合などで熱い展開を期待する身としては、そこが非常に惜しいと思います。  なので、キャラクターに感情移入できない。先輩の試合をみて主人公はどう感じたのか、白鳥が結構いい線いってるのに自分はパンチひとつはいらなかったとき何も思わなかったのか。感情を表すだけで練習や努力が行いだけでなく精神的な向上に繋がり、小説として面白いと思います。  キャラクターが多く、クラスメイト(とくに球技大会)での人物は把握することを諦めました。名前だけがあって個性がないというか、小説全体がそんな印象です。主人公が誰か、無個性というか感情移入できないせいでわからないこともあります。    以上です。更新頑張ってくださいませ。
1件

この投稿に対するコメントはありません