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nAmE SteALeR
倉橋
2024/5/27 20:25
澁谷沓ホラー選集解説 不安なエンドレス
澁谷沓氏の作品を読み始めてから随分の歳月が流れた気がするが、それ自体、蜃気楼の幻かもしれない。 ただハッキリしているのは、私が澁谷氏の作品のファンになったのは、現在氏が力を入れている所謂《いわゆる》ホラーのジャンルではなかったということである。 では澁谷氏の作品群に一貫性がないのかと云えばそのようなことはない。 以前に私は氏の作品を「現代の寓話」と評したが、今もその見解を撤回することは出来ない。 今回の作品もそのひとつかと思う。 最初に申し上げると、澁谷氏の作品を読むことは非常に疲れる。何作もの作品を読んだような耐えられない疲労感に陥る。 まず文章である。流れるように書かれた文章は、実は綿密な推敲を重ねたとしか思えない文章であり、一字一句見逃すことが出来ない。 そして独特のストリー展開である。 不安定な現代社会を舞台に、フワフワと作者独自の不安定な文章で、決して終わりがこない不安定で不安なエンドレスが展開して、そのまま読者に投げ出されるのである。 だが澁谷氏の作品はそれでは終わらない。 今回の作品に代表されるように、氏の作品は不安定で不安だが、とてつもなく広がりを持った深遠の世界で形成されている。この広がりと深遠が、氏の作品を「現代の寓話」と解釈する理由である。 私は読者としてどうしてもこの作品を読み切って自分なりの結論を出さずにはいられなくなる。 だが氏の作品への解釈を文字に著そうとしたとき、私はいつも、心の中の想いをそのまま文章に変換出来ないもどかしさを感じている。 それほど澁谷氏の作品は形容し難い不思議な魅力を備えていることを多くの人に伝えたくて、今回も拙いレビューを書かずにはいられなかった次第である。 これは類まれない氏の作品の魅力を物語っており、みちのくには類まれない才能が棲んでいるとしか云えない。 澁谷沓氏の作品はどうしても真剣に向き合わずにはいられなくなる。 だからこそ、氏がホラーと定義づけた作品群は、「思索する人が読むホラー」という新しい呼称を提唱したい。
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澁谷沓(シブヤクツ)♪
5/29 10:47
倉橋さま✨ この度もモッタイなくもご感想を頂戴致し…思わず喜びの小躍り&雀踊り(←仙台の謎の踊り)等やらかしております…✨ 『みちのくの才媛』『現代の寓話』…そしてこの度の『思索する人が読むホラー』…有り難くも倉橋さまに頂戴しましたこれらの二つ名は、全て拙の宝物にございます…✨ いずれはその名に恥じぬ女傑?になりたいものよ…☆彡 私事が変に忙しく、なかなかエブ活が充実しませんが…いずれどっかの町内会もドッキリ✨…みたいな新作をモノしたいモノよと企て中です〜♪ では…乱筆乱文…御無礼仕りました✨
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