ドキドキ、ワクワク、そして胸アツ!
スラムで過酷な生き方を強いられてきた若者たちが、時に争いながらも手を組んでいき、大きな敵に立ち向かっていくストーリーは王道にして秀逸。それぞれの人物、それぞれの勢力が何故そのように行動しているのかがきっちり考えられているので、読んでいて違和感を感じるところが無く、素直にストーリーにのめり込めました。 登場人物も皆非常に魅力的で、誰が好きかと言われても選ぶのが困難なほど好きな人物が山盛りです。 主人公のサキ、ただ強いだけでなく、思慮深さと人を引き付ける魅力が半端ない。 相棒のM-A、こちらもただ強いだけでなく、律儀で誠実で人との繋がりを大事にするナイスガイ。 サキの一人息子(拾い子)コーシ、まだ子供だけれど、大人以上に思慮深く、意思の力と行動力で自分より遥かに年上の少年たちを虜にしていくカリスマには読者のハートも鷲掴みにされる。 存在感と威圧感が半端ないカイト族のボス・グランディオン。少し拗らせているが有能でクールでキレものアオイ。コーシの才能を見抜き、その可能性に賭けて少年たちを立ち上がらせるマイネス・スキャットのリーダー・アークル。純情でお人好しで小心者だが憎めないララージュ。挙げていけば本当にキリがない。 また、これら主要人物だけでなく、端役に至るまでしっかり人物像が練り込まれているので、物語りに非常に厚みを感じます。ともすればモブとして扱われてしまう、本当は一番多く存在しているはずの特別な力を持たない普通の人達の地道な活動が主役級の人たちを支えているという部分まで手を抜かずに書かれている点は、同じ書き手として深い感銘を受けました。 手に汗握る怒涛の展開で、至る所に見どころの有る作品ですが、その中でもピカイチなのが、コーシが去った後のマイネス・スキャットでリーダー・アークルが少年たちに現状を訴えた上で、今なすべきことが何のかを考えさせ、決起させる場面で、このシーンは本当に久しぶりに小説を読んでいて胸アツになりました。 私がエブリスタで読んだ小説の中で、間違いなくベスト3に入る傑作です。オススメです。
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マッシーさん、こちらこそ胸熱な感想をありがとうございます。 最後の一文に嬉しすぎて膝から崩れ落ちるかと思いました……! 悪を砕くという王道ストーリーでありながら、幾つもの主軸が絡み合う群像劇。ラストに近づくにつれて展開の難しさにめちゃくちゃ苦しんだ覚えがあります。 ちゃんと内容が伝わっているか、一人一人の感情が矛盾なく繋がっているか、フラグは全部回収したのか、もたついたり失速していないか。 気を配っていても書いている時は中々分からないもので、こうして感想をいただくとホッとすると同時に書き終えた時の達成感と感動がいつも蘇ります。 そしてマッシーさんが感じるままに登場人物の魅力を語ってくださっ
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