覆いを捲っていくような
 学校経営一族の出であるエリート学生の主人公。しかし親類達と違い、自分の脳内メモリが一般的であるという秘密のコンプレックスがあり、噂の闇外科医を元を訪れて……  「記憶」という不確か極まりないものを「見える化」した世界、近未来なのかも曖昧な時代をより自然に近いSFで描いた短編小説でした。  世界観にしがみついている陰鬱さが、秘密や謎を忍ばせているストーリーをまるっと覆っているイメージ。結末どうなっていくのか!?というドキドキを持ってその覆いを捲っていくように読み進めて、ラストに露になる真相に鼓動が早くなりました。  めちゃめちゃ面白かったです!  それに、世界観で惹き込まれましたが、登場人物のキャラ立ちもとてもいい! プライドが高い主人公、謎を持っていそうな同級生、そして不気味な闇外科医……。どのキャラにも闇があるようで、そんな彼らにも興味を持ちつつ読ませていただいた本でした。
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わぁ、濃厚な解釈とスリルの解説、嬉しいです! やっぱりSFは設定が命というとこがあると思いますし、ストーリーを丸ごと包んだそれを楽めたのが何より。 闇とか裏の顔とか、ダークな要素多めに含んだつもりの一編でしたが、いい感じにドキドキしてもらえたようで嬉し。 書きがいがあったなと改めて思えました!

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