二瀬幸三郎

背景のしっかりした王道のシンデレラストーリー
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 時は大正時代―― 長女でありながら忌み子として扱われていた千鳥が、身代わりとして嫁がされた先の青年実業家、亜門と紆余曲折の末、真の恋愛に目覚め結ばれる、良き王道の純愛シンデレラストーリーでした…… 千鳥と亜門に降りかかる様々な苦難…… 突如発生した暴風災害や、[本来の婚約者だった]妹の理子、甘い誘いで誑かす周柾の妨害…… それらを様々な、そして暖かな人々に助けられ、最後は降伏のエピローグを無事に迎えたときは安堵しつつも喜んだものです…… また、この時代の当時の情勢――華族の立場や福岡、伊万里焼や真珠養殖、災害などを物語に組み込み、背景にリアリティを持たせたうえで、登場人物の心情、行動にしっかりとした根拠、描写を与えていたと感じられました。 最近は、この手の物語が増えてきている感じですが、背景がしっかりしていることで地に足の着いた物語として成立していると思われます。 素敵な王道の物語でした♪
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