モサク

戦国の世にあって。
 本編とは対照的なスピンオフまで読み終えました。  道明秀将と蓮司正興。どちらも嫡男ではないが、一方は実父からも疎まれ、もう一方は領主の座を奪うことを期待される。  秋津伊縁と牧野次重。どちらも、小姓として忠義を尽くす覚悟に迷いはない。  自ら欲したものではなくても、そうせざるを得ないという時代のなかで、若干二十歳前後の青年たちは、務めを果たすために常に命懸けでした。  その結果は、あえて言葉を悪く言うなら、左腕と引き換えに欲するものを得た秀将。あてがわれるように結婚し、生涯その本心を語らない正興。そして、献身的に彼らを支え続ける伊縁と次重。  端からは『寄り添う』と『ひとり立つ』というタイトルのとおりに見えるはず。  でも、その根底には四人がそれぞれに抱く敬意があり、愛情がある。自分の中の確固たる思いのために生きる決意がある。  完結後の彼らの前に立ちはだかる困難を想像してしまい、清々しい読後感との落差に慄きます。  しかし、彼らはきっと最期の瞬間まで力を尽くすでしょう。  ありきたりだけど、そのとき「いい道だった」と笑ってほしい。  
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モサクさん、心よりの感想をありがとうございます。朝から何度も読み返して感動しておりました。またはじめてのギフトも寄せてくださりありがとうございます。こちらでのお礼で申し訳ありません。 今の時代では考えられない選択肢しかない時代に生きた若者を書きたいと思い、時代背景や言葉遣いなどで、彼らの思いが消えてしまわないよう試行錯誤しながら書いた作品です。 流行りものにあわない、ニーズが少ない、いろいろと日和るところもありましたが、書きたいものをこうして書ききることができて良かったなと今本当に思います。 彼らの生き様、そして相手を思う気持ちを読み取っていただき、本当にありがとうございました!書いた甲斐があ
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