ともなり

超・妄想コンテスト『のびる』裏会場👑金賞受賞作品
とある父子のお話。淡々と進む非常に短いお話の中で、書く事もせず緻密な心理描写が行われている事には驚かされました。変わり果てた相手の様子にも頑ななままの主人公がかつての父を想像させ、それゆえ現在の父がどれほど弱気になっているのか内省してきたのかが浮き彫りになり、それは痛々しくも思えました。主人公は赦しを与えない素振りを見せつつも、なぜかそれは現実から目を背けている様にも見え、当初は拒絶しかできなかった気持ちが思いもよらぬ相手の態度に揺らぎかけるのを認めたくないかのようにも思えました。内省の末見つけ出した本当の気持ちを向ける父とそれを認めなくない主人公、その不器用でシンプルなやりとりは胸に迫るものがあり、揺れ動く両者の心を最低限の文章で最大限に表現していました。そのくだんの後に主人公のとる行動はとても意味深くグッとくるものでした。短い中にぎゅっと詰まったドラマは見事だと思いました。
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この度は金賞をいただき、ありがとうございました。 今回のお題の「のびる」は何作も没が出たほど、悩みに悩んだコンテストでした。 公式の方では結果が出ませんでしたが、こうやって読者の方からコメントをいただけたことは、本当にありがたいことだと思います。 今後も執筆に励んでいきますので、よろしくお願い致します。
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濃密な作品ありがとうございました。
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