拝読しました。 さわやかな読後感の残る良い作品だと思います。 あえて指摘するところを探すならば、エリックを大統領としたことで、少し無理のある感じ、不自然さがでてしまったのではないかな、と思えることです。民主政権樹立直後の多忙さや困難さが、あまり感じられないというか。 リアリティや描写の解像度をどう調整するかと言うのは、作者の匙加減だと思いますが、一読者としては気になりました。 直接関係ありませんが、昔、東北で地震があったあと、いろんな種類のアーティストが被災地にでかけていっていろんなパフォーマンスをしていったそうなんですが、アーティストと支援者の間には結構な温度差があったというか、はっきり言ってしまうと「それってアーティストの自己満足じゃないの」と思うようなことが、たびたびあったそうです。当事者に直接聞きました。 そこは、ぜひ想像してみてほしいところですが、私はそういう、生々しい現実の質感が好きなタイプの書き手です。どういう作家として、どういう読者と向きあいたいか、というのはそれぞれの書き手が選んでいいことですが、(描写の解像度ではなく)想像力の解像度は、高くて悪いことはないと思います。  以上、一読者としての一つの意見です。普通に絶賛する方もいるでしょうし、妄コン入選しても驚きません。十分よくできていると思います。  参考程度に読んでいただければ幸いです。
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tetsuyaさま ていねいな評価をいただいて、たいへん励みになりました。ありがとうございます。 おっしゃるように、エリックを大統領として活かせる場面が作れませんでした。 アデルを動かしきるのに、コンサートの実行やそれまでの援助、孤児院の状況把握といった力をもつ人物が欲しい、それもアデルと何かしらの縁がある人物で…などと思ったのですが、力不足でした。 被災者や復興に対する文化・芸術の関係も、確かにもっと突き詰めればよかったかも知れません。 過去の行動で自分を責めているアデルに「大切なのは未来へと目を向けることなんだよ」と伝えたい、私自身の焦点がそこに当たりすぎたんだと思います。 いた
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