ながうち

某月某日 とある山に囲まれた小さな集落に得体のしれない大きな音が轟く。  その音は人間からすれば不快感を感じるものであり、道路を歩いていた学生はすぐさまその場に倒れ込んでしまった。大きな音と共に無色有毒な気体が噴射されている可能性も考えられるが、倒れ込んだ学生の死亡は確認されていないのでそこまで有毒ではないということは感じ取れる。  何が学生に不快感を与えているのかはよく分からないが、おそらく大きな音だろう。実際、音が轟くまでは元気だった学生が音が轟いた瞬間苦痛を感じたような顔をして倒れ込んだからだ。  数分後、謎の音が鳴り終わるとすぐに倒れ込んだ学生は起き上がりその場を後にしたので、学生に与えた不快感は間違いなくあの音であろう。  どこから謎の音が轟いたのか、なぜその音は人間を不快にさせるのかといった原因は全く分からないが、人類の為に解決しなければならない問題であることは事実である。  またその音は人工的に作られたものなのか、それとも自然のものなのかなど詳しく知らなければならないこともたくさんあるが、集落のお偉いさんが動いてくれるとは到底考えられないので、有志でこの問題を解決してくれそうな人間を待つしかなかった。      

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