ながうち

 ユナは意味のない薄っぺらい記事が記載された新聞を手に取った後、「家にいると気分が落ち着かない」という理由で散歩に出かけた訳だが、その散歩こそがユナに新たな手がかりを与えるきっかけとなったのだ。  家を出るとすぐに、2日前に聞いた不快音と共に地面を踏むような重圧な音が聞こえてきたわけだが、その音を聞いてすぐにユナは犯人が動物であるということを察知したのだ。  音の大きさからおそらく足の面積が大きな動物であり、動物から発される不快音は間違いなく鳴き声であろうということまで予測できたはいいのだが、姿や形を目にする機会はなかったので具体的にどういう生物なのかは認知することができなかった。おそらく透明である考えてもいいのだが、もし透明であるならこの問題を解決する解決策が全く浮かばないので手を上げることにした。  犯人が透明か否かは分からないものの、周囲には耳を塞いだ老人や倒れ込んだ老人がいるので間違いなく不快音が流れているのだろうが、ユナからすれば聞き慣れればただの快音でしかなかった。    

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