ながうち

 耳を塞いだ老人が何かを口にしようとしているが、不快音の音量が大きすぎてよく聞こえないので無視しようとしたら、老人がいきなり小石を投げつけてきたのでユナは老人に対して唾を吐き返した。攻撃に対する反撃である。  不快音と足音は未だに発生しているものの、不快音と足音を発生させている当事者が全く姿を見せないので調査が先に進むことはなく、犯人は巨大な動物であるという結論から先に進むことはなかった。  鳴き声にしては非常に甲高く、尚且つ耳を抉られるものであるせいか初見では攻略しにくいが、慣れてくると快音に聞こえてくるという特性があるので慣れると攻略するのは簡単である。  上記の特性をしっかりと理解しているからこそ、ユナは毎日不快音の持ち主と対峙することができている訳だが、隣の石を投げてきた老人が「いつ聞いてもこの音は不快じゃ」と叫びたてるので、慣れてくると快音に聞こえてくるわけではないことを察知した。    

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